週末の昼下がりは、お寺の本堂に上げていただき、空間に溶け込むようにしみる
読経を聴いていました。 幾台かの扇風機が首を振り、そよ風を運んできます。
さきほどまでの雨も上がり、雲の切れ間からはとき折りの日が境内に射し込んで
濡れた石畳を照らし、いま蝉が鳴けば、それもまた岩にしみ入ってゆきそう。
法要が終わり本堂を背に縁側に腰を下ろせば、そんな風景や音の世界が広がって
街中にあるお寺だというのに、その境内はなんて閑かなんでしょう。
この雨雲が去ってしまえば青空が広がり、入道雲が湧き上がってくるでしょうか。
夏のお寺は、そこがはじめての場所でも懐かしさがしみ入ってゆきます。
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