殺気に薄目をあければ、飼い猫の " ゆず " が、暗闇の中で「 クンクンクン 」と
ワタクシの顔の臭いを嗅いでいます。 昨日の帰宅時は、事務所ご近所の行列が
絶えない焼肉屋さんでの30分夕食となったので、その臭いがするのでしょう。
入店時の手指消毒と、換気に配慮した広い店内には、ワタクシたち以外には1組
しかおられず、寒くても雨が降っても、おもてに長い行列のできるお店ですから
こんなことは初めてです。 思わず、持ち帰り分も頼んでしまいました。
" ゆず " の猫パンチの恐怖から逃れられたかと思えば、次は意図してかタイマー
セットの時間を間違えたのか、階下の洗濯機のスイッチが「 カチッ 」と入って
給水が始まり、ドラムが回り出しました。 自動乾燥へと続くのでしょう・・・
" ワルキューレの騎行 " が遠く静かに聴こえてくるかのように、小さく、小さく
聞こえていた、ヘリコプターのローター音が複数、徐々に近づいてきます。
思っていたよりも遥かに大きな爆音となって「 すわ何ごと! ? 」と、たまらず
気になり、目を開けて窓の外を見上げれば、集落の上空を低く、飛行灯を点けた
2機編隊が北へ飛び去って行く、午前4時39分。
「 寝入りばなに " ゆず " に襲われるかと思ったわ 」
「 ふ~ん、臭いがしたんやろね 」
「 夜中に動き始める、洗濯機のタイマーセットの時間は正しいの? 」
「 深夜の電気料金が安いうちに乾燥まで終わらせんとね 」
「 明け方のヘリコプターのすごい音に気づいた? 」
「 4時半頃? そんなん寝とったわ 」
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