続、三江線沿線の思い出

 

 

で、自身の記憶が正しいのか、三江線の思い出を綴るにあたりインターネットを

利用して、地図を確認したり、検索してみたり・・・ 自然に帰しているだろう

山の中の一軒屋も探してはみたのですが、一面みどりの海に覆われ、滝の上流を

たどっても、航空写真では細い流れの川筋を見つけることは出来ませんでした。

 

しかし、こうして離れた場所で、当時はまだ未舗装だった断魚渓から続く山道を

西へたどって標高を上げ( 地形図ではないので高低差はイメージ出来ませんが )

これまた母の言葉で聞いた " 八幡 " ( 字名 )へ着いて、そこからは渓流沿いに

いよいよ登山道のような道を行きます。

 

" 航空写真 " では見つけられなかった川筋も、グーグルマップの " 地図 " ならば

確認ができ、その渓流を何度か丸太橋で左右に渡りながら北西へ歩みを進めると

パッと目の前が開けた盆地地形の、向かいの山の中腹にその家はありました。

 

一旦下り、洗濯場でもある渓流を越えて再び登れば、中庭を挟んで牛小屋もある

「 もーのおじいちゃん 」と呼ばせていただいていた家に、やっと到着。

 

夏でも涼しい縁側で「 つかれたぁ~ 」と寝ころべば、歩いてきた道が右の方に

見える、向かいの山に炭焼小屋がありました。

 

裏山から竹を割った樋で引いた湧水が飲料水、" かめ " に溜めて " ひしゃく " で

すくって食器を洗っており、蛇の抜け殻が窓辺にある離れの便所が怖かった。

 

「 川を下れば大きな滝がある 」と聞いた、その家の下を流れる渓流を、冒険心

よろしく下れば、すぐに澄んだ澄んだ池に出て、きっとそこをさらに先に進めば

地図にある支流合流部、さらに下って観音滝のようです。

 

その観音滝へは、正しいことをきちんと教えてくれることが反面、怖いと感じる

もーのおじいちゃんに連れられ、山を下ってバスに乗り、三江線へと乗り継いだ

鹿賀の駅から、丸一日かけた見学遠足に連れて行ってもらいました。

 

一昨日、幼いワタクシの記憶に似て、お孫さんにとってはその怖いおじいちゃん 

だっただろう、細身で背が高く、正しいことをきちんと教えてくれる、お世話に

なった方が亡くなられ、昨晩の通夜式に家族の方々に加えて参列させていただき

眠るように安らかで綺麗なお顔を拝見させていただきました。

 

正しいことをきちんと分かっておられる、お洒落なおじいちゃんでした。

 

 

Copyright (C) 2000~ 平瀬謹也 All Rights Reserved.

 

 

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