夏のまつりごと

 

 

井上陽水の歌詞をそのまま彷彿とさせる、どこまでも真っ青な夏空に、ちぎった

綿菓子のような雲が浮かぶ、その下で、今年も集落の夏祭りが始まります。

 

小さな神社の境内は、青竹を繋ぐ綱で囲まれ、拝殿にはゴザが敷かれ、周囲には

幕が巻かれて、今日が特別な日であることを伝えています。

 

まだ、蝉しぐれに早く、静まり返った集落に、招かれた神職が打ち鳴らす太鼓の

音が、トトン、トン、トトン、トン、と軽やかに響き渡って、祭りの開始。

 

はるか見渡す夏の陽射しが降り注ぐ集落は、風も時間も止まったかのような景色

ですが、拝殿の幕を軽く持ち上げるように、やさしく抜ける風が、ここだけには

涼を運んでくれています。

 

山海のお供えが用意された神殿で、祝詞が上げられ、榊でのお祓い、玉串奉奠で

締めくくられ、そして・・・ 今年の夏祭りも無事、終わることが出来ました。

 

小さな集落の1時間程の夏祭りですが、「 まつり 」と聞けば、花火に、夜店に、

人混みに、と思い浮かべる私たちには新鮮で、心の底から五穀豊穣、家内安全を

祈らずにはいられません。

 

この集落にめぐり合わせていただいた偶然に感謝します。

 

 

Copyright (C) 2000~ 平瀬謹也 All Rights Reserved.

 

 

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