バタバタと移動の途中での昼食、イスに座れば普段、購読していない日経新聞を
手に取ってパラパラとページをめくり、流し読みで目に留まった記事を熟読。
「 池上彰の大岡山通信 若者たちへ 」
ウラジオストクの若者に、日本語を学び始めた動機を聞いているのですが、その
答えが、「 日本語は音楽のように美しい言葉なので、勉強したかったのです 」
嬉しく感じるとともに、はたして現在、その言語で育った私たち自身が、美しく
語り、書くことが出来ているのかと恥じ入る思いもあります。
日本文学への造詣も深く 「 好きな作品は?」 と問えば、その答えが川端康成の
「 " 山の音 " です 」 と答えられていますから、ヒェ~!
忙しさを言い訳に、すっかり本を読まなくなっている自分自身への戒めのように
池上氏の的確に短くまとめられた文章が、グサグサと刺さります。
路地から見上げれば抜ける青空、どこからか、まつり囃子の太鼓の音がテテンと
聞こえ、キンモクセイの匂いにキュンとした想いつのる秋の日。
カバーを外した文庫本をバッグから取り出さねばなりません。
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