青空高く晴れ渡り、田畑はたわわに稔りを迎え、清々しい空気に包まれた日には
郊外の病院からの移動を、交通量や信号の少ない道を選んで、のんびり走行。
もうすぐ刈り入れでしょう、稲穂は黄金にこうべを垂れ、大豆の葉が青々と茂り
村々の入り口に立つ提灯が、祭りの準備が進んでいることを教えてくれます。
全開の窓を抜ける風が心地よく、どこまでも走り続けたくなって・・・
オートバイに乗り始めた十代の頃、たいした地図も持たずに県内、近県の範囲を
よく走り回ったのですが、偶然出会った秋祭り、不思議な装束で静々進む行列に
思わず、黒澤監督作品を彷彿とさせる感動を覚えた日を思い出したり。
はたまた、迷い込んだ農道から抜け出せずに方向感覚を失った、五里霧中な感覚、
色々な体験、己の判断が自分自身を左右すること、多くを学びました。
さて、どこまでも走っていたかったのですが、もうすぐ目的地、山間をクネクネ
最徐行で進むと、こつ然と巨大で清潔な建物群が現れてきました。
今日、ひつじ雲流れる爽やかな秋の日も、季節が進めば夕暮れにキンモクセイの
匂い漂う、ゆっくりとした時間流れるそんな日に変わってゆくのでしょう。
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