田舎暮らしの家の西側の、真竹がしげる斜面を下ると、敷地に接し小川が流れる
のですが、それは帰宅時の暗闇を通してもサラサラと、やさしい音で伝わります。
その竹林越しに、庭から目を凝らすと・・・ 「いた!」 「あっちにも!」
そう、小川の岸辺にフワフワと舞う、ホタルの季節がやってきました。
まだまだ少なめですが、これからの1ヶ月間ほど、日に日にその数を増しながら
小川沿いに乱舞の場所を広げてゆきます。
この集落でお世話になり始めるまでの街中のアパート暮らしでは、ホタルが舞う
などというセリフは、テレビの中や、本の上での出来事だと思っていたのですが
時間に追われる日々のその中で、ほんのちょっと一瞬、足を止めて目を向ければ
ホタルが帰宅を迎えてくれる現在。
感じるこころ、楽しむ余裕を忘れてはなりません。
そんな、彼ら、彼女ら、ホタルの舞踏会のチケットには、時間が記してあるのか
決まって、午後の8時を回って輪舞がはじまり、9時も過ぎれば帰途に着きます。
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