山間の小さな集落ですから、あちらで畑仕事をされている方、こちらで草を刈る方、
たまに見かける程度のひと気の無さですが、この時期は多くの方々の帰省先となる
のでしょう、集落に停まるクルマの台数が倍以上に増えているようです。
高速道路大渋滞の映像のうち数台は、この集落を目指していたのかも知れません。
ワタクシにも帰省先がありました。 実の祖父母ではないのですが、母が幼い頃に
預けられていた年老いたオジ、オバが住む家に、小学生の夏休みには毎年、遠い、
遠い思いの帰省をしていたことを思い出します。
電車で3~4時間移動してからバスに乗り換え2~3時間、渓谷沿いのバス停で降りて
山道を2時間ほど歩くと、まさに自給自足、湧き水を割った竹で引いて飲料水として
川で洗濯、外にある手洗いが幼心にコワイ、やっとたどり着いたその家で夏休みの
一週間ほどを過ごさせてもらっていました。
牛の世話、炭焼小屋、山仕事、子供にも厳しい "モーのおじいちゃん" に色々な体験
をさせてもらったのですが・・・ 16歳でオートバイ免許を取得し帰省したのが最期
になったでしょうか。
きっと現在、すでに深く草木に覆われ、建物を含めすべての痕跡は無くなっている
でしょうが、おとぎ話の中に出てくる、まさに桃源郷そのもののような田舎でした。
いまでも目を閉じれば、歩いてたどり着くしかなかった深い山の中の一軒家、その
谷間の素敵な景色がまぶたに浮かびます。
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