気候をわける峠

 

 

すでに遠い記憶となった冬から入るのもなんですが、積雪激しく、こりゃ街は

オオゴトだな、と覚悟を決めて家を出発し、小さな峠を越えると・・・ アレ?

あの大量の雪は??  なんてことが、ひと冬に1~2回。

 

東西の低い山と山に挟まれた谷間の奥に位置する集落は、ここだけ別の気候に

なることも多い、やさしい風の抜ける場所にあります。

 

さて、たまったアレコレを明日に回すことにして仕事を終え、停滞する空気が

漂う街を抜けて北に向かうと・・・ ん? 雨が降った?? そんな気配。

 

涼しい夜のとばりが下りて集落に近づくと、囲う山々に白いモヤモヤが纏わり

ついて、小さな峠を越えるあたりからフロントガラスが濡れ出し、霧の中へ。

 

ヘッドライトが乱反射する白い世界に入り込み、ここだけ時間が止まったよう。

 

ほんと小さな、小さな峠なのですが、それを境に気候がガラッと変わることが

しばしばあって、不思議な感覚に陥るのが魅力的な集落に入るための峠です。

 

手探りで自宅を見つけ (オオゲサな!)、クルマを停めると、雑草が夜露に

濡れて、いままさに! スクスクと伸びているのが目に見えます。

 

 

Copyright (C) 2000~ 平瀬謹也 All Rights Reserved.

 

 

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