雨に流れず風に飛ばず

 

 

「もう、わたしたちの息子だといっても、おかしくない歳やね」

「そうかぁ、20代やったもんなぁ」

 

排気量の大きいオフロードバイクを手足のように遊んでいる姿が

昨日のことのように思い出されます。

 

梅雨空の予報でしたが湿度は高いものの晴れ、来週にも迫った

本格的な夏の気配を感じる一日。

 

18年前の夏、彼が叶えられなかった富士山に皆と一緒に登った

その際の頂上の欠片が雨に流されず、風に飛ばず、墓石の脇に

今でも小さく、小さくありました。

 

 

Copyright (C) 2010 平瀬謹也 All Rights Rsserved.

 

 

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コメント(2)

もうあれから18年も経つんだ。

彼のこと、

そしてその次の夏、皆と一緒に登った日本最高峰、今も鮮明に蘇ります。

梅雨の最中というのに、登り始めてから下山が終わるまで、雲ひとつない好天。満月が懐中電灯も要らないほど明るく夜道を照らしてくれました。
一緒に登った仲間は誰一人として脱落することなくピークへ。

そして儀式。

多分、当時同行した全ての仲間はこのことを覚えているでしょう。彼と一緒に登ったという事実を!

いまでも登山を含めて遊びの際、運に恵まれると
彼が応援していてくれるような気がします。

「楽しかったことを報告するからな」とつぶやきながら。

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