「もう、わたしたちの息子だといっても、おかしくない歳やね」
「そうかぁ、20代やったもんなぁ」
排気量の大きいオフロードバイクを手足のように遊んでいる姿が
昨日のことのように思い出されます。
梅雨空の予報でしたが湿度は高いものの晴れ、来週にも迫った
本格的な夏の気配を感じる一日。
18年前の夏、彼が叶えられなかった富士山に皆と一緒に登った
その際の頂上の欠片が雨に流されず、風に飛ばず、墓石の脇に
今でも小さく、小さくありました。
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もうあれから18年も経つんだ。
彼のこと、
そしてその次の夏、皆と一緒に登った日本最高峰、今も鮮明に蘇ります。
梅雨の最中というのに、登り始めてから下山が終わるまで、雲ひとつない好天。満月が懐中電灯も要らないほど明るく夜道を照らしてくれました。
一緒に登った仲間は誰一人として脱落することなくピークへ。
そして儀式。
多分、当時同行した全ての仲間はこのことを覚えているでしょう。彼と一緒に登ったという事実を!
いまでも登山を含めて遊びの際、運に恵まれると
彼が応援していてくれるような気がします。
「楽しかったことを報告するからな」とつぶやきながら。