お城の下のサーカス

 

 

仕事に向かう彼女を見送れば所用で街へ。 そのついでに足を延ばした

姫路城周辺にはカラフルなサーカステントが立って、おだやかな正月を

迎えています。

 

お城に向かう方々の足取りも軽く、お堀の白鳥や鯉も明るい陽射しに

ゆっくりとした時間の中でエサをもらったり。

 

大手門から西に進むと好古園、ワタクシはここで、この中で育ちました。

 

 

そこに当時、木造平屋造りの借家が何軒も建っていて、その中にあった

小さな小さな寮の寮母として母が働かせてもらっており、住み込み用の

四畳半の部屋で育ててもらいました。

 

少ない休みを工夫してくれて、ワタクシの手を引き雨で足元がぬかるむ

大手前公園にサーカスを観に連れて行ってくれた思い出から蘇ります。

 

姫路城、姫山公園、お堀、船場川・・・ 大手門駐車場は市民グランドで、

まさにそこを遊び場に路地から路地を駆け抜け、土手の大きな木の上に

秘密基地を作り、川にはまり、元気に過ごしたのです。

 

その40年以上も経つ思い出の大木も、まだ元気に残る形で育った場所が

好古園というとても美しい日本庭園になっているのは嬉しいことです。

 

 

姫路城周辺に足を延ばす前に立ち寄った施設の3階の、小さくとも清潔な

部屋の窓からは、保存修理の素屋根に覆われた大天守を遠望することが

できて、「ここは遠くにお城が見えていいねぇ」 と、その白鷺が舞う姿にも

例えられる姿を日々の忙しさに見上げることも少なかっただろう母に語ると、

「元気にがっばてる?」 と、1分ごとに繰り返しワタクシを心配してくれます。

 

 

おだやかに過ぎる時間に、まだ3年あまりを残す保存修理工事が完了し、

この窓から早く素屋根の外れたお城が見られたらいいのに、と。

 

 

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コメント(2)

街は常に進化して行くのは仕方ないけれど、それで思い出の場所が無くなって行くが複雑な気持ちです。
それでも生まれ育った街が発展して欲しいのも、また事実。

おっしゃる通り。

「姫路駅」 は無くなっちゃいましたねぇ。

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