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日本三景天橋立と秘湯琴引温泉ツーリング
カブを手に入れる前から、原付で行くならと計画していたツーリングに行ってきました。
関西原付ライダーの聖地、日本三景にあげられる天橋立です。超有名なこの観光地、宮津湾を横切るようにかかる自然の橋(というか狭い道)は、徒歩と自転車、それに125cc以下のバイクのみが通行することが出来ます。
125cc以下走行禁止の道なら日本中どこでもありますが、125cc以下だけ走れるというのは他に知りません。やるな〜京都府です。リッターバイクもオフローダーもみな涙を飲んで迂回するところを堂々と走ることが出来ます。
今回のツーリングプランは、まず天橋立を抜けそれから丹後半島を横切り、琴引浜にある珍しい温泉(詳細は後述)に入って帰ってくるルートです。走行距離は300kmほど、十分日帰り可能な距離です。
姫路の自宅を午前6時頃スタートし、312号線を北上します。
単調な道が続きますが、福崎を過ぎしばらくして笠形山方面へ行く県道に入ります。このあたりから気持ちいい田園風景が広がってきます。
カブで走ってると、朝靄にさす光や青々とした田んぼなどのありふれた風景がすごく輝いて見えます。
トコトコと走って峠を越え、トンネルを抜け、加美町に出ると今度は427号線です。
これを北上して道の駅加美をすぎると今度は青垣方面へ。
427号線から429号線に入ります。3桁国道で400番台くればどこでも細い道になりますが、ここの榎峠もなかなか渋い道です。

これでも国道の入り口です。道幅はずっとこんな感じで、あまり車で来たくはありません。
落ち葉が積もった細くて薄暗い道を登っていくと峠の頂上で県境を越え、ここから京都府の福知山に入ります。

峠を抜けて、なだらかな集落の道を下っていくと、しだいに道は普通の町中になって行きます。
429号線から9号線に入ります。福知山市街近くなので急に車線も増え交通量が多く戸惑います。やっぱりカブは田舎道が最高です。
9号線から次に176号線に入りこれをずっと北上します。トラックが多く疲れる道ですが、与謝峠のトンネルを過ぎた辺りからは加悦の古い町並みが見え、やっぱり京都だなぁと思います。
加悦の道の駅で休憩。ここは何故か良く解りませんが、SLや古い客車を改装した喫茶店などもあります。敷地内にはちゃんと操車場のような線路や駅舎もあります。
休憩のあとはせっかくなので加悦の町中を走るため国道をそれます。
加悦は「ちりめん街道」という織物で有名な町です。幹線道路に疲れたのでちょっと素通りしてみます。


加悦の町の中にはこんな古い家が沢山あり、ちょっとエンジンを止めるとあちこちの家から、はた織りのタタンタタンという音が聞こえて来ます。
加悦を抜けまた国道にもどり、しばらく行くと天橋立の南側のふもとに到着します。
宮津湾沿いに走っていると前方に松林が続いているのが見えてきます。橋立ての根元の辺りはさすがに観光地で土産物屋と駐車場の呼び込み?でいっぱいです。


天橋立の南側根元にある智恩寺。
なかなか立派な寺ですが、今回は早く天橋立を渡ってみたかったので写真を撮っただけでパスしました。
天橋立の入り口にはこんな立て札があります。
この「125cc以下の原動機付自転車は除く」の一文がうれしくてやってきました。
土産物屋の間を抜けると、本当の天橋立の前に回転橋という船が通ると橋桁を回転させて船を通す橋があります。
つまり天橋立はここで実は地続きになってないんですね。


船が通る時間になると、おっちゃんが鎖を掛けて通行止めにし、手元のスイッチで橋桁を回転させます。
その間は観光客は写真を撮り、地元の人はじっと待っています。


船が通りすぎると、また橋が回転して繋がります。ガチャンとも言わず、つなぎ目に隙間もありません。
変なところで感動してしまいました。

橋を抜けるといよいよ天橋立の中を走ります。
意外と道幅は広く、気持ちのいいフラットなダートが続いています。道の日本海側は砂浜になっていて、海水浴客や釣り人で結構賑わっています。
松林の中は爽快ですが、歩いている観光客も多いのでスピードには注意した方がいいでしょう。
事故があって走行禁止になっても面白くないですし。

砂浜には道のどこからでも出られます。

3.6kmの天橋立をとおりすぎ、北側に出たところ。
国道に戻り、どこか天橋立を見下ろせるところを探します。
すぐ近くには傘松公園という公園がありリフトやケーブルカ−で上がれるようになっています。成相寺という寺が観光公園になっているようです。
しかし天橋立とカブを一緒に撮影できるポイントを探していたので、リフトはパスすることにします。リフト代の640円(だったかな)もちょっと惜しいので。
地図を見ていると、成相寺に通じる道が少し宮津側へ戻ったところにあるのを発見、そちらへ向かいます。

成相寺の境内
国道から横道へそれ、急な坂を上ります。1速でもキツいぐらいの激坂を登ると成相寺の境内に到着。
ここで入山料500円をとられますが、リフト比べれば安いですし何より自分のバイクで来られるのが嬉しいです。
ここからさらにダートの急坂を1km上がると、大パノラマ展望台に到着です。

展望台の先端までカブを持って行き、記念撮影
ここからは宮津湾全体や舞鶴方面まで見渡すことが出来ます。
山頂でビッグスクーターやロードバイク何台かと出会いましたが、「お〜カブが上がってきた!」とちょっと注目。意外と楽なんですけどね。
展望台の裏手から丹後縦貫林道に繋がる道が続いていています。同じ道を行くよりも楽しそうなので迷わずこっちへ進みます。硬くしまった土のダートなので全然問題無し。
ダートはすぐ終わりましたが、次の目的地である小野小町公園への近道になりました。

この時点で午前11時すぎ、原付でも全然問題ないペースでツーリングできて嬉しい限りです。
次は今日の昼食に目星をつけていた蕎麦屋に向かいます。交通量の少ない県道をすっとばしてあっというまに小野小町公園に到着。この公園内に蕎麦処「歌仙」があります。

蕎麦処「歌仙」

ざるおろし大盛りと胡麻豆腐
雰囲気のある茅葺き屋根の建物で、ざるおろし蕎麦大盛りと胡麻豆腐、しめて1600円ほどをいただきました。
食後は丹後半島の根元を突っ切るように北西へ、琴引浜に向かいます。
琴引浜は鳴き砂のある奇麗な海岸で有名です。この時期は海水浴客で非常に賑わうところですが、ここには珍しい砂浜の中の温泉があります。前から一度来てみたいと思っていたところです。
県道から178号線に出てすぐ、琴引浜の看板をたよりに浜の方へ向かいます。海岸までの道は海水浴客の車でかなり混雑しています。
浜の入り口には駐車場の係員が数名、駐車料金を徴収していますが、観光客に見えなかったのかバイクが小さいからか、素通りさせてくれました。しかも「温泉は一番奥ね!」と教えてくれて感謝感謝。
水着のオネーサンがいっぱい歩く砂利道を進み、一番奥にバイクを止めて着替えます。
浜に降りるとありました!目指していた琴引浜季節限定天然海浜温泉。

コンクリートの浴槽に掛け流しのお湯がドバドバとでています。
湯加減はちょっと熱いかなというくらい。足の砂を落として浸かると日焼けにヒリヒリします。
当然混浴、海水浴場内なので水着着用がルールですが、かなり良い湯です。
目の前では日本海の浜がひろがっています。
ここでキャンプして深夜や早朝にひと風呂あびたら最高でしょう。
湯につかってのぼせると海に飛び込んで、また湯につかりと小一時間ほど過ごしました。

風呂上がりに冷たい物が食べたくなったので、久美浜方面に向かいます。
ここには木下酒造という造り酒屋があって玉川という地酒もありますが、ここの酒造所では地酒ソフトというソフトクリームも売っています。
178号線で久美浜湾をまわりこむと、大きな地酒ソフトの看板のある木下酒造に到着。
地酒ソフト250円を買って表で食べます。地酒の何をソフトにしたのか聞き忘れましたが美味しかったです。
自分のお土産に吟醸酒の小瓶を買って帰りました。
さてここからは、帰路につきます。178号線から広域農道を通って出石方面へ。
ところがここで突然の雷鳴とともに、バケツをひっくり返したような夕立です。
火照った体に気持ちがいいのですが、あまりにも視界が悪いので、田舎によくある屋根付きのバス停で雨やどりします。雨がやむまでしばし休憩。服を着替えてちょっとまどろみます。
しばらくするとカッパを着ずに済む程度に雨が弱まっていたので出発。
本当は素通りするつもりだったのですが、なんとなく出石にもよってみることにしました。

古い城下町の出石は蕎麦で有名ですが、あいにく今日は昼に食べたのでパス。適当な場所にバイクをとめ、ぶらぶらします。
適当な店で生蕎麦と団子をお土産に買って帰りました。
出石を出発し和田山方面へ県道を走ります。峠を越え円山川沿い進み和田山から312号線に入ります。
312号線を南下し、生野、福崎と通って姫路に到着したのが夕方7時頃でした。
カブで行く初めての300km越え一日ツーリングでしたが、中型バイクに乗ってた頃とさほどペースは変わりませんでした。むしろ体の疲れは少ないくらいです。
高速道路に乗れないのでいざというときエスケープが出来ないというデメリットはありますが、どんな狭いとこにも入って行けて、地元民のフリができるというメリットも大きいです。なによりバイクを止めるのが少しもめんどくさくないというのが気に入りました。
今回の走行320km、燃費約59km/L。
スプロケの変更による燃費は思っていたほど変わらずでしたが、この行程をたった6Lほどの燃料で走れるのは感動です。