touring
親子タンデムで行く醤油とお猿の小豆島ツーリング
今回は小学校一年生の息子と一緒にツーリングしてきました。行き先は瀬戸内海にうかぶ一周約140kmの小さな島、小豆島(しょうどしま)です。
小豆島は小さいながらも、瀬戸内海らしいのどかな風景がつづく海岸線と、寒霞渓というきりたった渓谷のある変化にとんだ島で、兵庫南部〜岡山、高知からの日帰りツーリングには結構ポピュラーなスポットです。
小学校一年生の息子は、日頃カブの後ろに乗って買い物など町乗りには慣れていますが、まとまった距離を走るのは初めてです。なので、走行距離は極力少なめにして、退屈しないように観光ポイントを多めに取るようなルートにしました。
早朝6時30分、姫路市内の自宅を出発。久しぶりに早朝から乗るとすっかり寒くなっていて驚きます。市内を南下し姫路港へ向かいます。
30分ほどで、姫路港に到着。すでに港には始発の7時15分に出るフェリーが入っていて乗船が始まっています。
窓口でチケットを購入。大人と子供、それに原付でしめて2600円程でした。表示してある値段設定では、原付、〜750cc、それ以上という区分けで、「750ccとカブが同じ値段かいな」と少々納得いかない気分でしたが、窓口で「90cc」です、と言うと原付の値段になりました。
結局、何ccまでが原付扱いなのか解りませんが、とにかく安く上がってラッキーです。
定刻どおり出航となり、デッキに上がります。
姫路港から小豆島の福田港までは1時間40分。とくに何もすることが無い船の中では中途半端な時間です。展望デッキにあがり、家から持ってきたサンドイッチの朝食。
しかし寒いので船室に入り横になります。息子はフェリーを嬉しがってあちこち探検して回っています。

フェリー乗船、息子とカブ

展望デッキ、早朝で寒い

福田港到着
きっちり1時間40分後、小豆島に到着。
まだ朝の9時、気持ちのいい天気の中、時計回りに島を走ります。ひとまず国道436号線を南下、アップダウンを交えたワインデイングが続きます。朝日に映える瀬戸内海がまぶしく、絶好のツーリング日和です。途中で海岸然沿いに県道248にそれて岬方面へ一車線の田舎道をすすみます。
まず第一の目的地、「二十四の瞳映画村」と岬の分教場跡を訪ねます。
このあたりは広い湾になっていて、鏡のような水面にときどき魚がはねているのが見えます。息子は、魚がパシャっと跳ねるたび「あっまた跳んだ!」と喜んでいます。

古い教室。
現役一年生を座らせてみた。

砂浜が運動場の学校っていいかも。

ボンネットバス
岬の分教場は古い木造の校舎が残っていて、実際に使われていた子供の机やソロバン、先生のオルガンなどが教室内にそのまま置いてあり、昔の小学校の様子がよくわかります。
映画村ではセットに使われた学校や周辺の民家などが展示や、駄菓子屋や土産物屋が入った大きな施設です。
ここで小豆島に来たらとりあえず食っとけといわれる「醤油ソフト」を食べました。

醤油の樽で作ったバス停

民家のセット

醤油ソフト
来た道を少し戻り、県道28号線へ出ると今度は「マルキン醤油記念館」があります。
小豆島は醤油でも有名ですが、このあたりは本当に町中に醤油のにおいが漂っていて、歩いているだけでソバつゆを飲んだような気になってきます

マルキン醤油の工場
マルキン醤油記念館は昔の醤油の製法や道具を紹介した施設ですが、入場料大人210円で、醤油の小瓶がお土産に付いてきます。子供の入場料は70円で、子供にもおなじ醤油がもらえました。中で同じ小瓶が200円で売ってたので、非常にお得です。小豆島のお土産にも最適です。
国道に出て西へ、土庄の町を目指します。
ちょうど昼時になったので、食べるところを探します。といってもあまりたいした物はなさそうですが、とりあえず小豆島も香川県、昼はうどんにしようということで、セルフうどんの店に入りました。
店を出てまた東へ。世界一狭い海峡で有名な場所を通りますが、見た目はただの小川です。
県道26号線で今度は山手に向かいます。
傾斜がだんだんきつくなって、2速でトロトロ登ります。いくら子供とはいえタンデムで山を登るのはなかなかキツいようです。
あまりの遅さに息子も「え〜、おそ〜い」と笑っています。
県道27号線へ入り、銚子渓に向かいます。ここには沢山のニホンザルが放し飼いになっている「お猿の国」があります。
バイクを置き、ゲートを過ぎてすこし山を登ると、いるわいるわ、ボスザルとおぼしき大きなオスから、生まれてまなしの小猿までワラワラと走りよってきます。売店で猿にあげるエサをもらってサルにあげると、阿鼻叫喚の大騒ぎです。

猿にかこまれる

エサをひろう猿

おばちゃんに怒られて並ぶ猿
ひとしきり猿と遊んだあと、今度は寒霞渓へ向かいます。
寒霞渓までの道は景色のいい適度なアップダウンもある快走ワインディングですが、カブでタンデムだとまたひと味違います。

四方指展望台から四国を望む
上り坂ではいよいよ1速に落とし、時速10km前後でノロノロとなんとか登って行きます。
途中あちこちで道路を猿の群れが横断しています。
排気量のあるバイクならただ通り過ぎるだけですが、10km程度のスピードだと猿もこちらもじっと相手を観察する余裕があって、ときには全然避けようとしない猿もいて困ります。
そうこうするまに寒霞渓の展望台に到着。
遥か谷底までロープウェイが通っているのが見えます。とうぜん息子はロープウェイに乗りたがりますが、単にロープウェイで往復して景色を見るだけではつまらないので、ここから下のロープウェイの駅まで、片道は歩いて降りることにしました。
寒霞渓駐車場の脇から、下へ降りるハイキングコースが続いていて、およそ片道1時間のコースです。
水筒とおやつを持ってハイキングに出発。
道は石畳の急な下り坂がずっとつづきます。途中何度か景色のいい場所を過ぎ、40分ほど歩いたところで珍しいお寺がありました。
垂直に切り立つ岩肌にへばりつくようにして建っています。試しに階段を上ってみるとお堂の中にも入れました。

ハイキングコース

途中にあったお寺
中はひんやりと静か。

寒霞渓の下のロープウェイ駅に到着
ハイキングコースが終わり、今度は車道を少し登るとロープウェイの下の駅に到着です。
1時間に1〜2本しか通ってないので心配しましたが、次の便はちょうど10分後というタイミングでした。
発車のブザーが鳴ってロープウェイは結構なスピードで上昇します。
窓からは寒霞渓の切り立った崖が見えます。紅葉のシーズンだと結構賑わうようですが、まだ少し早く、おかげでロープウェイは殆ど貸し切りでした。
崖の上をぴょんぴょんと飛び跳ねる猿の姿も見えました。

ロープウェイ内

瀬戸内海が見渡せる

寒霞渓までは約5分
寒霞渓に戻るとまたカブにまたがり出発。
景色のいい小豆島ブルーラインを南下し、町まで降りて行きます。今度は下りなので快走。つづら折れのヘアピンカーブからは四国まで見渡せます。
あっというまに国道までもどります。
朝に通った国道をまた福田港までもどります。
息子はハイキングで疲れたせいかタンデムシートでうとうとしています。危なっかしいのでなんども声をかけて起こしてやります。
福田港に16時すぎに到着。次の姫路港行きは17時15分で少し時間がありますが、これを逃すと次の便は19時過ぎになってしまうので港でフェリーを待つことにします。
フェリー乗り場の周りには土産物屋が何件かあり、時間つぶしにぶらぶらします。

島にある石切り場で活躍する
でかいダンプ

フェリー乗り場に並ぶバイク

揚げたての天ぷら
ちょっとお腹がすいたのでその場で揚げてくれるすり身の天ぷらを食べました。一串170円でホカホカです。
防波堤の上で釣りをしている様子を眺めながら船を待ちます。

瀬戸内海の夕日
時刻になりフェリーが来ました。息子は「あ、朝とおんなじ船か〜」と残念そうです。
夕方の便は乗客が多く、船室は人が多いのでデッキで過ごします。
島を離れてくるにつれ奇麗な夕日になりました。いつしかデッキの上は夕日を見る人で一杯です。
夕日が瀬戸内海にしずむと急に暗くなり、冷え込んできます。
19時、姫路港に到着。
上着を着込んで、家路に付きました。
平均燃費50.2km/L